ゆとり大学院生の日常~なんかいいことないかな~

留年と隣り合わせの情報系大学院生の日常。

岡本太郎の価値観に触れる・・・こういう風に行きたい!『自分の中に毒をもて』[本の感想]

岡本太郎という人をご存知でしょうか? 大阪万博の「太陽の塔」の創作や『芸術は爆発だ』という言葉はかなり有名ですね

今回はそんな岡本太郎さんのエッセイを掘り返して読んで感動したので書きます

破天荒な方という印象を漠然と持っていましたが, タイトルからもだいぶ破天荒ですね笑

本書は岡本太郎さんのエッセイという感じだと思うのですが,痛烈な現代批判でもあり, また芸術論でもあると思います

本書自体は1988年に刊行されたもので,もう30年ほど前の本になるわけですが,未だに色あせないとても面白い本でした 現代批判の部分に関しても30年前の本で批判されている部分が現代にほとんど当てはまっていて少し辛い気持ちにもなりました

本書のテーマとして,このエッセイを通して岡本太郎さんが伝えたいこと

人間の本来の生き方とは

人間本来の生き方は,無目的,無条件であるべきだ

何かをしたり,自分の行動を決めるときについ他人からの評価や体裁を気にしがちだと思います

また自信がないから自分らしく生きることに踏み出せないこともあります

自信に関しても岡本太郎さんは

自信なんていうのは相対的な価値観だ

と言っています 他人からみてつまらないものでもいいから,自分の心の動かされるようなものに情熱を向ける

そういった生き方は何の目的も条件もないもので,これが人間本来の生き方であると言っています

生きがいを持って生きていくには

本当に生きていくためには自分自身と闘わなければだめだ

これはどういう意味かというと,

自分を大事にしようとするから,逆に生きがいを失ってしまうのだ。 強烈に生きることは常に死を前提にしている。 死という最も厳しい運命と直面して,はじめていのちが奮いたつのだ。 死はただ生理的な終焉ではなく,日常生活の中に瞬間瞬間にたちあらわれるものなのだ。 この世の中で自分を純粋に貫こうとしたら,生きがいに賭けようとすれば,必ず絶望的な危険をともなう。

現代に生きる人々は危険を遠ざけて生きようとするあまり,社会として要請されるいわば『部品』のようになってしまっているということだと思いました

自分が生きていると実感するためには危険を恐れないということだと思います

行動するときの指針

ベストを尽くさないといけないのは,現在この瞬間である

過去や未来の自分よりも現在の自分に責任を持つ

当たり前だけどなかなか難しいです

「以前はよかった」とか「いずれやる」ということは誰でも考えがちです

他のことはどうでもいいから,やると決めたらその瞬間に全力をかける

まとめ

芸術家である岡本太郎さんは物事を他の人とは違う捉え方としていて,とても面白いです

文章もうまいので,かなり読みやすいです

人に依存した人生はつまらなく,自分自身が生きがいをもって真に生きるということは生涯通じて実践されていたと思います

かなり感動して,僕の中では間違いなく自分の価値観に影響を及ぼす本だと思います

日本ではなかなか難しい生き方のように思いますが実践していければと思います

ぼくはこういう制約の多いところでこそ自分のしたいことをするのが本当の行動になると思う

みなさんも岡本太郎さんの価値観にぜひ触れてみてください!